サークルでダンスを覚えようとする場合の注意事項
 

 ダンスをサークルで覚えようとする場合(本稿はダンス教室が主催するサークルを除きます。)、ダンス教室で習う場合とはずいぶん違うようです。サークルでダンスを修得する場合の長所・短所を述べると次のようなことがあります。
 
第1に、初心者を対象としたサークルが少ないこと
  大部分のサークルは、ある程度ダンスが踊れる人が集まって、親睦をかねてダンスを勉強しようとするサークルが多いように見受けられます。したがって、新規に初心者が入会したときは先輩が片手間で教える場合が多いようですので、初心者は大変な努力が必要になるでしょう。
  
第2に、サークルの目的がはっきりしないものがあることです。
  サークルの目的が、ダンス技術習得にあるのか、親睦なのか、パーティ向きなのか、競技会に向けて練習するサークルなのかを見定め、自分のニーズにあったものを選ぶ必要があります。前三者は沢山ありますが、競技会に向けて練習しているサークルは少ないようです。特に社会人でJDSF(旧JADA)の競技会に出場するには、JDSFに登録したサークルに所属する必要があるようですから、競技会の出場を目標にしている方は、JDSFに照会すると良いでしょう。
  
第3に、専門的知識がないアマチュアの指導者によって指導・運営されている場合が多いことです。
 指導者に専門的知識がない者が教えていることが挙げられます。例え知識や技術があったとしても、古い知識や技術を教えている場合が多いようです。 サークルによっては、指導者が教室に通って習ってきたことをサークルで会員に指導しているものや、レッスンの最初をプロの授業にして、後半をパーティ形式で練習したり親交を深めたりするサークルなどがあります。できれば、専門家が教えているサークルを選ぶべきでしょう。
 サークルの中には、プロが教えているように書いたものがありますが、毎回プロが教えているのではなく、月に1回がプロで、後はサークルの指導者が教えているものがあります。良く内容を確認してから入会手続きすることをすすめます。
 最近、あるサークルの関係者から、「うちのサークルの先生はJDSFのB級の現役の選手です。」と自慢げに話していましたが、良いのでしょうかね〜?
 
第4に、プロの教え方に問題があることです。
 プロの指導者がサークルで教えている場合の注意点として、時間内に生徒が消化できないような難しいレッスンをして、修得できない生徒を自分の教室で補習授業を受けさせ、教室の生徒を増加するための勧誘手段としてサークルを利用している先生がいることです。時間内に修得できるようなレッスン構成をしないで教えるのは教師としては失格ともいえるし、ましてや教室の収益増加のためにサークルを利用するのは論外といえよう。このようなサークルでダンスを覚えるのは大変な努力と覚悟が必要です。見学の際に、修得の状況をチェックしましょう。(この先生は、教室経営上の才能はあるのでしょうね。) 
 
第5に、サークルで基本を憶えるには困難が伴うことです。
 ダンスサークルでは、ダンス教室で教えるのとは違って、教師が生徒と組んで教えることが全くないか、あっても極めてわずかの時間しかないことです。したがって、スムースな動きや微妙なリードやフォローを体得することには困難がつきまといます。身体を使った動きの修得には時間と工夫が必要となることです。
 
第6に、カリキュラムは、ステップを教えることが中心になっている場合が多いことです。
 これはサークルの会員の資質に関わってくるものと思われますが、サークルでダンスを覚えようとしている人達は、たくさんのステップを知っていることがダンスを知っていることと錯覚している人が多いように思われることです。もっとも、身体の使い方などを団体レッスンで修得するのは大変困難と思われます。したがってステップ中心になるのはサークルの宿命ともいえるものなのかもしれません。身体・足の使い方、リードやフォローを憶えるのはダンス教室で習う方に軍配が上がります。
 
第7に、教養や品性のない人が多いことです。
 サークルに行って一番びっくりするのは、言動が粗野な方が多いことでしょう。ダンスを通じて男女が手軽に話し合えることができるためか、友達感覚を飛び越えて失礼とも取られかねない言動が飛び出すの場面にびっくりいたします。礼節という言葉を知らない方が多いようです。
 また、どこの社会でも同じかもしれませんが、教え魔が多いことです。特に男性に多いのですが、自分の未熟さに気がつかず、相手の迷惑をも考えず指導を始めるのです。ゴルフをしている方は身に覚えがあるかもしれませんね、また、教え魔と同様に、女性から男性への注文も多いことです。節度を持ったアドヴァイスならば成長するのに良いことなのですが、粗野な言い方で「あなたが下手だから私が踊れないのよ」、とか「先生となら踊れるのに」といろいろとご注文が多い世界です。男性はぶたれ上手でないと大変ですね。でも、男性が少ない世界ですので、男性はもてますよ。 
  
第8に、自己の利益だけを追求する人が多いことです。
  自分の踊りやすい人としか踊らない排他的な人が多いことでしょう。サークルという世界は、お金をかけずに少しでも上手になりたいという堅い意志を持った人達の世界のようです。サークルはみんなでダンスが上手になるために集まった同好の士ですなどという高い理想は見受けられません。偶には自分よりも未熟な人のお相手をしてあげる位の気持ちを持ちたいものですね。
 また、お金をかけずにダンスを覚えようとする人達は、カラオケに行ったり、飲み食いするお金は惜しみなく使うのに、盆暮れのシーズンになると休む方が多くなるそうです。それは、先生への御礼のための出費があるからです。金額は僅かなのに出し渋ったり、黙ってシーズンが過ぎるのを待っているそうです。他のお稽古ごとでは考えられない世界がここにはあるようですね。
短所ばかりではありません。良いことだってあるのです。
 
第1に、サークルでダンスの仲間ができることです。
 楽しみながら同好の士とダンス技術向上を図ることができます。ダンスは一人ではなかなか上手になれません。あーだこうだと言い合いながら互いに触発し上手になれればこの上もなく幸せなことです。ただし、練習相手となる男性が少ないので、男性をめぐって女性の間でトラブルが発生しやすいことに注意が必要です。
 
第2に、レッスン料が安くすむことです。
 ダンス教室の団体レッスンや個人レッスンよりも、サークルの方が費用的には安くすむでしょう。金額的な比較だけではサークルの方が安いのですが、内容的にはどちらが得かは単純な比較はできません。


 サークルはダンス教室と違って長所もあり短所もあります。比較考量の上決めるのはあなたです。単純に金額的な比較ではなく、長くダンスを楽しもうとする場合どちらが得かという視点で考えてみては如何でしょうか。特に高齢になってもダンスができるのは足腰のリハビリや運動機能回復のため最適といえるでしょう。それも楽しみながら自分の体力にあわせてできるのです。他のスポーツにはない長所を持っています。ダンスを長く楽しむには基本をしっかり憶える必要があります。あなたのダンス技術が低ければ、貴方と同程度の技術レベルの異性しか声をかけてくれません。筆者としては、基本的なことはダンス教室でしっかりと教わり、ダンスの仲間づくりはサークルで行う方が良いような気がいたします。
  

(Edited by Fujishima)