ダンス教室(教師)選定上の注意事項(チェックポイント)


 ダンス教室に通おうと思った場合、何を基準に選べば良いかにお困りの方がいると思います。
 教室や先生を選ぶ際の注意としては、知名度の高いのは社会的にもある程度認知されていることでもあり、安心できると思います。しかし、案外あなたの身近なところによい教室や先生がいるのではないでしょうか。
 私見ですが、私なりのチェックポイントを述べると次のとおりです。参考にしてみて下さい。
ダンス経験者の皆さんはどのように思いますか?(ご意見や参考になることがあればメールを下さるとありがたいです。)。

第1 ダンス教室について


1 見学ができること。

 どこの教室でも見学できるところが多いようですので、まずダンス教室を覗いてみることです。教室の見学ができないところは止めた方がよいでしょう。
 慣れない世界に入るにはちょっと勇気が必要かもしれません。一歩踏み出す勇気を持ちましょう。
 ダンス教室を見学するには、事前にダンスを習っている友人から評判を聞いたり事前に情報を収集することは大変参考になります。しかし、後悔しないためには何よりも自分の目と感覚で確認し判断することが何よりも大切なことです。
 なお、教室見学時は、教室のスタッフに勧誘される場合が多いようです。短時間の訪問で教室(先生)を選ぶのは難しいかもしれません。その時は、とりあえず訪問した教室で教わり、技術や知識の習得状況の向上に応じて自分に合ったところに変えるのも一方法かと思います。
  

2 公的に認定された教室であること。

 全国各地にはダンスに関する教師協会や業界団体があります。これらに所属するダンス教室も一つの目安になるかもしれませんが、全国的には、ダンスの教授に関する団体は二つに大別され、一つはスポーツ振興という観点から文部省に認定された財団法人日本ボールルームダンス連盟(JBDF)、もう一つは、風俗営業の警察的取り締まりという観点から公安委員会に認定された社団法人全日本ダンス協会連合会(ANAD)です。
 前者は公認教室、後者は公認ダンス教授所として各々の団体が公認しております。このように公益法人として設立された団体が公認する教室も選択の一応の目安になるでしょう。これら公益法人は会員の資質向上のために研修(講習)を行うなど自主努力をしているようですが、公認された教室でも教師やインストラクターの質が高いところも低いところもあることを心に留めておいて下さい。自分の眼で確認が必要です。
 なお、JBDFの公認ダンス教室は公表しておりますが、ANADは公表しておりません。ANADの公認については教室に照会しなければ分からないようになっています。
  
3 若いスタッフが居ること
 若い先生が居ない教室は生気が無く寂しいものです。若いスタッフの感覚はダンスを綺麗に見せ、年輩者には良い刺激を与えるものです。当然のこととして、生徒は若い生気と元気を得ることができるでしょう。

4 教室の環境等について

 (1) 教室の照明が明るいこと。
 (2) 教室の雰囲気が良いこと(教室のスタッフと生徒との挨拶が明るく自然に行われていること)。
 (3) トイレが汚れていないこと(トイレには経営者の経営理念や教室スタッフの意識が表れています。また、その教室に通っている客の質的レベルを推し量ることができます。トイレは必見です。)。
 (4) 教室に通っている生徒の質的レベル(品性、技術など)が低くないこと。
 (5) 生徒が自己中心的に練習しているところは避けること(ぶつかっても黙礼をしないなど失敬な者が多い)。
 (6) 教室の周囲の社会的環境が良いこと。
  

5 レッスン料について

 (1) レッスン時間及び料金表が教室内の見やすいところに掲示されていること。
 (2) レッスン時間を既定の時間よりも短くすることがないこと。
 (3) 授業料の支払いは、教授者に直接支払う方法を採っていることが望ましい。
 (4) 授業料の支払に当たっては、チケット支払い方法よりは一回ごと現金支払う法が望ましい(チケットで支払うのは職業ダンサーがお相手をして踊った際に支払う方式の名残です)。
   

第2 ダンス教師について

 1 教授には経験や実績があること。
   ただ単に経験が長い言うだけでは注意が必要です。ダンスはより合理的に踊るための技術の進歩があります。ただ単に経験年数が長いという先生からは古い技術を習得することになり、高度な技術を習得する段階で障碍となることがあります。人の評判などを聞くのも参考となるでしょう。

 2 教師の質的向上を目指して勉強していること。
   競技会に出たり、上級の教師資格取得のための勉強を怠っていないことが望ましいが、競技会に出ているからと言って必ずしも教え方が上手だとは限らないし、上級の教師資格を持っているからといって良い教師であるとは限らないことを知っておくべきです。

 3 流行に敏感であること。
   ステップの使い方や踊り方(演出)には流行があります。踊りを美しく見せるには、常に鋭敏な感覚を磨いている必要があります。服装やメーキャップなどから先生の素質を見抜きましょう。

 4 教養があること。
  (1) 学歴があることとは違います。一般社会人としての常識を持っているかどうかが最低ラインと思います。オーナー教師は一国一城の主で誰も注意をしてくれないために唯我独尊で生徒に精神的金銭的負担をかけても意に介しない人がいます。注意しましょう。
  (2) 言葉が粗野でないこと。言葉は教養の一つです。
  (3) 他人のことや自分のプライバシーについて聞いてくる人には注意しましょう。ダンスのレッスンにプライバシーは関係のないことです。
  (4) 話題が豊富な人で下品でない人が良いですね、

 5 身だしなみを小綺麗にしていること
   流行に流されたり、着古した洋服をレッスン着にしているようなものは困りますが、ある程度流行を取り入れて見出しなみが綺麗な方がよいでしょう。前のレッスンで汗だくになった服装のまま自分のレッスンに入るような先生は止めましょう。

 6 レッスン方法等
  (1) 内容が漸進的で体系的であること。
  (2) ステップや形ばかり教えることがレッスンの中心となっている先生は避けた方が良いかもしれません(初心者に対しては最初は簡単なステップを踏むことが中心になりますが、レッスンが進むにつれ、バランスや体の動きなどの説明があることが望ましい。)。
  (3) 前回のレッスンで指摘したことを忘れてレッスンを進める先生は避けた方が良いでしょう。
  (4) 接客業のように生徒とただ踊っている先生は避けること(ただし、高齢者の運動補助の場合を除きます)。
  (5) 理屈っぽい先生は避けるべきです。先生は昼から夜まで動き続けているため、少しでも休もうと腐心します。レッスン中に電話がかかってくると長電話になったり、冗談を言っては動かなかったり、生徒のシャドウが多かったり、理屈っぽく一歩一歩に解説を加え生徒のできていないことを指摘してレッスンをしている先生がいますが、一見教えているようで、その実、身体を休めている場合が多いのです。言葉少なに動く先生がベストです。理論は実技がある程度できるようになってから実技習得に応じておぼえていきましょう。

 7 レッスン中の教師の態度〜次のような先生は避けること。
  (1) レッスンの初めと終わりがはっきりしない。
  (2) プライバシーに関することを話題にする。
  (3) 卑猥な話を引用してレッスンする。
  (4) シャドウ(一人でステップを踏むこと)ばかりさせる。シャドウは必要ですが、先生が生徒と組みたくないためにシャドウをさせる場合が多いので、先生の教え方は要チェックです。
  (5) 暴力的な言動があること。生徒の憶えが悪いために足や身体をたたくなどして教える先生がおります。スパルタ教育をする先生は教授方法が多様でないために教え方が一本調子になって、指導の意図が十分生徒に伝わらないために暴力を使うのではないかと思います。このような先生は本当は実力がないのです。スパルタ式の教育方法が良いという方がおりますが、それは個人の好みの問題です。スパルタ式によって覚える生徒が現実にはおりますので、完全には否定しませんが、力によって教育するのは本来の教授方法とは異質と思います。十全に指導の目的や意図が伝わるには多彩な説明方法(模範演技や言葉による補足)ができる教師が良いと思います。
  (6) 自分の教えたとおりに出来ないために叱りとばす。
  (7) レッスンの大部分を口頭で行う教師。ダンス教師は昼から夜まで体を使ってダンスを教えています。疲れないために極力体を使わない先生が多いようです。せっかくの個人レッスンです。先生を有効に使ってダンスを勉強しましょう。
  (8) レッスン中にかかってきた電話に長時間対応する教師。教師の手抜きの典型です。
  (9) レッスン時間をカットする教師(ダンスの先生は肉体労働のため、少しでもレッスン時間を短くするように腐心する方が多い様です)。
   ・ 教師の都合でレッスン時間をカット(例えば長電話など)したにもかかわらずレッスン料はきちんととる。この手の先生はずいぶん多い様です。
   ・ 予約した時間に少し遅れてレッスンを始め、予定の時間よりも少し早く終わる教師
  (10) スリッパを履いて教える教師(足が疲れるからと言う理由らしいですが、冗談ではなく本当にいるそうです。大阪に。)。カップルレッスンを受けているときなどはまだ良いかもしれませんが、先生から100%教えてもらおうとした場合はスリッパでは十分なレッスンは期待できませんね。
  (11) 質問をすると「プロにでもなりたいの?」と嫌みを言う教師(A級のプロ、東京在住)。ダンスを憶えるのにプロもアマもありません。なぜならダンスの目的はいかに楽しく踊るか、また、如何に綺麗に踊るかが究極の目標であり、そこにはプロやアマの区別はないのです。たまたまダンスを生活の糧にしたのがプロです。生徒の疑問に素直に応えられないのはプロ失格ではないでしょうか?
  (12) 教室の先輩を気にして小さくなって生徒に教える教師。同じレッスン料を払うならのびのびとフロアを使いたいものだが、教師の間での上下関係のために生徒が迷惑を被ることがあります。フロアは互譲の精神で使うものです。見学の際、要チェックです。

 8 生徒にひざまずいて話す教師は避けること。
   飲食店の接客とは違うのであるから、生徒との話し方は師弟関係を介在とした接し方が必要と思います。とあるメジャーの教室(東京)の若い先生が床にひざまずいて生徒に対応をしているのを見たことがあります。営業的社交場や飲食店での接客業として客にひざまずくのは別にして、ダンス教師が生徒に対する対応の仕方としては素養と品性に問題があるように思います。それを経営方針として行っているのであれば、そこの教室に通うのは止めた方が良いかもしれません。
  
3 その他
 (1) 教室の入学案内書(パンフレット)があること。
 (2) 教室から競技選手を輩出していることが望ましいこと(上級の競技選手が沢山いることは教室のダンスのレベルを推し量る一つの基準とすることができるでしょう)。
 (3) 教室主催で、演技発表のためのパーティを年に1回以上行っていることが望ましい。
 (4) 教室主催のパーティ券を有形無形の力で売りつけることがないこと。
 (5) ダンス教室では年に1〜2回パーティを開催し、生徒の発表の場にするところが多いようですが、この際に、「僕の生徒は全員出演することになってます」と言って生徒の意向を聞かずに一方的に出演を強要する教室があります。このような教室は避けた方がよいでしょう。
 (6) 教室によっては、生徒からレッスンを受けたい先生の指名をすることが出来ないところがあります。極めて少ない事例だとは思いますが、レッスン料を支払うのは生徒です。教室の都合で習ってみたい教師にお願いできないのは如何なものでしょうか。好きな先生に習ってこそ良い刺激を受けて上達が早くなるといえるのではないでしょうか。
 (7) 教室のオーナーの子弟とか知り合いに対して行うレッスンを見ると、レッスン内容がずいぶん違うなと思うことがあります。内容がアカデミックなのです。同じ生徒なのだから同じように教えてほしいものですね(ひがみかな)。
 (8) 最近は不況のせいか、教室の生徒が減少しているようです。教室の方では減収を避けるために生徒数の増加を努力せずに、現在通っている生徒のレッスン回数を増やすように指導しているところが増えてきているようです。至極迷惑な話です。安易な勧誘には要注意です。
 (9) レベルが向上してきたり、習ってみたい先生がいた場合、他の教室に行って習おうとしても、地方によっては周囲の環境から難しいところがあります。例えば、生徒を奪ったと感情的になるなど教室の経営者同士のいがみ合いに発展する場合があり、生徒が巻き込まれたという事例を聞きます。教室を選ぶときは慎重にしましょう。特に、競技選手の場合は点数が入らなくなることもあるようです。

【著者注】 思いついたことを書きました。内容的には整理する必要がありますが後日に期したいと思います。意をくんで読んでください。
私個人的には約10数年前に良き師に出会って現在に至っているので、前述のような苦言を呈することが必要ないのですが、本稿は私が直接いろいろな教室等を見学したときの感想や、経験を基にこうあってほしいという願望も含めて書いたものです。また、ホームページを見た全国の方からの意見をいただき反映したものともなっております。
 本稿はダンスを習いたいと思っている方々に役立ってほしいと思っておりますが、一方では教室経営者やダンス教師の方々の考える材料になれば望外の幸せと思っております。

(Edited by Fujishima)