向井ダンス月報

1 アレックス・ムーアの「マンスリー・レター・サービス(MLS)」と「向井ダンス月報」

  マンスリー・レター・サービス(MLS)は、アレックス・ムーアが毎月手紙形式でダンス情報を発行しておりました。ムーアの死亡により廃刊となりましたが、日本のダンス界にとってはMLSは、新しいステップや新しいアマルガメーションに加え競技会での踊りの流行などの記述があり、海外渡航が制限されていた時代に英国風ダンスの貴重な情報源としての役割を果たしていたのです。
 MLSは、日本では平尾清(京都)と向井正(神戸)が翻訳して発行していました。平尾清は原著に忠実な翻訳版を発行しましたが、向井正はMLSの翻訳にとどまらず、海外のダンス事情の紹介や解説を加えるなどして「向井ダンス月報」として発行したのです。


2 向井ダンス月報
  向井 正(写真、神戸市生田区、明治32,1,1〜昭和46,11,15)が発行したダンスに関する月刊情報誌。著者が交通事故で逝去したため廃刊となりました。
  向井ダンス月報は、アレックス・ムーア(英国、元ISTD会長)のマンスリー・レター・サービス(MLS)を中心にしたものですが、当時はモダン種目が中心であって、ラテン種目は黎明期と言っても良い時代でした。
  向井氏は、英国風ダンスにとどまらず、米国のラテン・ダンスにも関心を持ち、いち早く紹介したことは、我が国ダンス界に貴重な情報を提供したものでした。このことは、最近の日本のトップクラスのラテン・ダンサーが英国だけでなく、米国にも行ってラテン・ダンスを勉強するようになったことを見ると分かるでしょう。今日のラテンダンスの発展をみると先見の明があり多大な貢献をしたことが分かります。
 「向井ダンス月報」は著者が故人となることによって廃刊となりましたが、昭和30年から40年代に貴重な情報を私達に提供してくれたのです。

 向井ダンス月報は、次のファイルに綴るようになっていました。
(ラテンについては「ラテン月報」として別綴り)
月報のファイル表紙 (月報の目次一例)

(タイトル)
 HANDBOOK
 for BETTER DANCING

 (タイトル)
 FOOD
  for BETTER DANCING





3 向井正の著作物(翻訳)
出版年 書    名 備 考
  向井ダンス月報 *1
1971, 3 DORIS LAVELLE/DISCOTHEQUE DANCING  
1970, ALEX MOORE/ポピュラー・ヴァリエーション集(Tango and Quickstep)第三版  
1970, ALEX MOORE/ポピュラー・ヴァリエーション集(Waltz and Foxtrot)第三版  
1967, 3 WALTER LAIRD/QUESTION AND ANSWERS  
1966, 9 ALEX MOORE/WHAT TO TEACH(1966-67) *2
1966, 6 ALEX MOORE/QUESTIONS AND ANSWERS(3rd Edition)  
1962, ISTD/AMATEUR MEDAL TESTS LATIN AMERICAN DANCE BRANCH,(8mm Film)  
             *1 Alex Moorの Monthry Letter Service(MLS)を基調とした月刊誌
             *2 WHAT TO TEACHは、毎年8月にMLSの付録のような形で発行していたが、
               1966年からはMLSとは別に単行本として発売された。
             *3 著作権の関係で、向井正が翻訳し平尾清が出版したものを除きました。


4 その他
  向井正氏逝去により妻節子さんが、生前故人と交流のあった人の文章を集めて、追悼集「のじぎくの人向井正さん」を発行(昭和47年)しました。
[敬称を省略]