ダンス教師の教室移籍について
 ダンス教師が所属教室を変えることは都市部においてはときどき行われているようだ。独立して教室を開設した場合、経営者と意見が合わなくなった場合、パートナーとの関係が悪化した場合、離婚など、その理由は様々だ。
 世の中の経済・社会の発展につれて新たな職種が生まれてきた場合や独立して開業するなど、人の流動化が行われようとしている。ダンスの場合は同一職種ではあるが、昔から比較的自由に教室を転籍することが行われてきているようだ。しかし、必ずしも円満な移籍だけではないようだ。最近、あるダンス教師が教室を移籍したケースを見てみよう。
 
[事例1] 経営者が若い女性と再婚した。その女性は経営者の奥様となるわけだが、若いスタッフとは反りが合わなかったので、経営者は奥様に対し礼節をつくすようにスタッフに注意した。その際、言葉だけでは足りずに平手打ちの仕打ちをしたので、若いスタッフはその教室を辞めて他の教室に移籍した。
[事例2] 競技選手である学連出身の男性教師が、所属していた教室の経営者に何の連絡もなしに休んだ。経営者は出勤してこない男性教師を探したところ、パートナーの所属する教室に勝手に移籍していることが判明した。
[事例3] 所属していた教室の経営者に断らずに、教室を開設し経営を始めた。
 
 いずれも事の詳細は判らない。いろいろな醜聞を記事にするつもりはないが、ダンスの社会でも人間関係の難しさ、醜さを見せつけられる。
 先生が、ある日突然に他の教室に移籍するといったら、生徒もその先生について他の教室に移籍してしまう場合が多い。生徒も教室のオーナーも迷惑千万である。生徒の立場では、先生は教室と一体として捉えられるものだ。「△△教室の○○先生について習っている」というように、習いに行っている教室も生徒にとっては大事な要因なのだ。また、オーナーの立場では、ダンス教室経営上の諸問題が発生すること及び一人前になるまで育てた教師が突然いなくなることは金銭にはかえられないくらいの精神的損失を被ることになる。

 信頼関係の瓦解はダンスの業界にはふさわしくない。ダンスはマナーに始まりマナーに終わる社会である。ダンス教師だからといって特別な人間ではないのだが、扱っている内容がダンスを教えることだけではなく、人とのつきあい方も知らなければならない職業に従事していることだ。それは教師試験の必須科目としてマナーがあるではないか。また、ダンス界という狭い村社会の一員であるならば、何処かでまたお世話になることあるだろうし、顔を合わす場合も多いことだろう。いつまでも仲違いするのではなく、何時あっても笑顔であえるように、移籍に当たってはもっと信頼関係を壊さないようなことに配慮してほしいものだ。