ダンスをメジャーに(競技を通じた普及策〜提言)

ダンスは他のスポーツに比べるとマイナーなイメージが強い。
それは男女の交わりのイメージが強いからではないだろうか。確かにダンスサークルの実体を見ると異性と手軽に話ができ、そして踊り、通常の生活では経験できない世界がそこにある。
健康的にパーティをしていると言っても、ダンスをしない人にとっては一種独特の暗いイメージが付きまとう世界があると映るのだ。それを払拭するには、ダンスは、スポーツ的要素、娯楽的要素を兼ねた健康的なイメージであることを今以上に強調すべきではないだろうかと私自身は思っている。
そのために、戦後からダンス普及の切り札として、競技ダンスを普及の一方策として実施してきたのは正しいと思っている。

最近は、アマチュアの競技団体主催の競技ダンスが各地で開催され、盛況を呈しているようだ。
競技会はあまり見に行く機会がないので全体の空気を知ることはできないが、盛況と言われる競技会も、出場者のための競技会であって、観客が少ないのが気になるところだ。これらは、ダンス雑誌の写真や、CSテレビを見てもいずれもが観客動員数が少ないのが一目瞭然だ。競技選手の背後に観客が見えないのだ。いても僅かぱらぱらと人影が見える程度の競技会が多い。ボールルームダンスをメジャーにするには、一般の方々が観客としてどのように参加させるかにかかっていると言って良いと思う。

 競技ダンスを実際に見ると、女性ならば、綺麗なドレスに驚き、次は自分がドレスを着てみたくなる衝動にかられるものだ。そしてドレスを着たら一生脱ぎたくないと思うに違いない。それほど感動を与えるものだ。
観客として行った人にも、競技の合間にダンスタイムを設けて踊る機会があれば、「競技選手が踊っていた床で自分も踊っている」と感動するに違いない。

 このような感動的な経験や意識の芽生えがダンスの質的向上への導入部になることはダンス関係者は経験的に知っているはずである。感動は観客動員の増加につながり、一部はダンス教室の扉を叩く人がでてくるのだ。
今までの競技会の実施方法を見ると主催者は競技会の進行だけに目がいって、観客不在になってはいなかっただろうか。どのような商売でもリピーターが大事で、リピーターの動向が今後の動向を示す指標であり、今後の発展の鍵となる。観客をどのように取り込むかは喫緊の課題といえよう。

 競技会によっては、無料の入場券を配布しているケースもあるようであるが、ほとんどが主催団体に関係するダンス教室で配布されているため、知っている人は少なく、動員に限界があるようだ。そこで、競技会の無料入場券を、ダンス界の底辺を支えるサークルの人を対象に配布することを提案したい。

 主催団体が一つであった時代(日競連)はNHKが放映してくれたが、JBDF、JDC、JCFと団体が分裂後した後は、各々の主催するものは放映の対象にはならなくなった。NHKが特定の団体を支援しているかのような印象を与えないためである。したがって、NHKは従前から後援していた日本インターと統一した競技会しか放映しないのだ。

 テレビの果たす役割は大きいものだ。約1時間の放送番組を無料で全国に提供してくれるのである。これを広告費として計算してみると、何十億円の広告費に相当することをプロの団体は自覚すべきである。また、視聴する人は膨大な数になる。その中のほんの僅かでもダンスに興味を示し、理解者となればこの上もないくらい絶大な普及の効果を上げたと言えよう。
 数年前までは、「私ダンスやってます。テレビでやっているような!」の一言が羨望の眼であったのが、今は放映されないためにあの華やかなダンス競技の世界を知らない人が増えてきてるのも忘れてはならない。
 映画「シャルウイーダンス」は、映画というメディアの果たした絶大な効果だ。ウッチャンナンチャンの芸能人社交ダンス部もテレビというメディアが大衆にアピールしている。内容はともかく、社交ダンスに興味を抱かせるには十分な内容だ。
 社交ダンスをメジャーにするには前述のようにマスメディアを利用することは極めて重要な手段というよう。競技の主催団体の利害得失はあるだろうが、大局的観点から、「全国的な競技会は利害を超えて統一したものに拡大していくこと。」に各団体は協力しあう必要がある。
 競技団体によっては、CS放送を利用してダンスの番組を提供しているが、契約者にだけ見せることも大事だが、地上波の放送は誰でも手軽にみられるメディアであり、もっと重視すべきメディアであることを忘れてはならない。そのことを知った上で、各競技団体は協力体制を拡大することを望みたい。(F)