パートナー探しと約束ごと
   
T パートナーシップとは何?
  ダンスの「パートナーシップ」とは、競技ダンスの社会では”共に戦う同士”の関係です。勝負をするに当たって、カップルになった二人が共に手を携え、協力しながらフロアで踊る関係なのです。競技ではパートナーは最大の協力者であり理解者でなければならないのです。パートナーとの円満な関係は、より良い踊りができる環境ができることなのです。
 ところが、練習場や競技場では男性が女性に向かってよく叱咤している場面が見られます。上級者になってくるとその逆が多くなってきますが……  そのようなことは二人の間で我慢できる限度内では良いかもしれませんが、周囲の人に不快感をまき散らします。それに、二人がいがみ合っていては良い踊りが生まれないでしょう。二人の協調性と向上心と積極性が踊りに表れます。仲良く協調関係がうまくいっていれば笑顔があり踊りもハッピーなものとなるでしょう。
ダンスのパートナー関係は、楽しく、笑顔で踊れる相手であってほしいものです。
U パートナー探し
 ダンスの競技会に出場するには、パートナーが必要です。
 競技に出るためにパートナーをどのようにして探しているのでしょうか
 男性と女性によってずいぶん違ってきます。ダンスをする男女比率から言うと、男性よりも圧倒的に女性の方が多いのです。したがって女性がリーダーを捜すのは至難の業と言って良いでしょう。
 パートナーを探す方法として次の方法があります。
  (1) 友達の紹介
  (2) 先生の紹介
  (3) 自分で探す(パーティ、雑誌のコーナー、インターネット等々)
 実際に自分で探すのは大変ですよ。カップル解消の情報等は友達がいれば簡単に情報収集や紹介して貰うことができますが、友人関係がいない人はなかなか見つかりません。良い友人関係の構築は長くダンスを楽しむためには必須条件かもしれませんね。

 パートナーを決める前には、まず、相性、カップルバランス、将来性、練習時間、など大事な問題があります。組めそうな相手が見つかったらまず練習してみましょう。そしていろいろお話をしてみることです。
組んでから後悔するようなことがないようにしましょう。
V パートナーとの約束
 パートナーの適任者が見つかったら、よく練習してみることと、お話をすることです。そして相手を良く理解することです。相手が気に入ったら、次の約束ごとをしてパートナーシップを作りましょう。約束ごとがないために解消を言い出せなくて困っている人のことをよく聞きます。約束事がなければ自由に言い合える環境作りをしておけば問題発生時に解決がしやすいでしょう。

 第一は、費用です
 競技の出場料、カップル・レッスン料など必要経費は折半にすること。ただし、レッスンを受けると男性ばかり直される場合が多いので女性は不満を持っている場合が多いのも事実です。その時は二人で相談するんですね。お金に関するトラブルが一番多いのです。
 男性が少ないダンスの世界では、女性が競技の申し込み手続きと出場料の負担をしている人が多いと聞きます。男性諸君を甘やかすことがないように女性は毅然と対応しましょう。
(そんなことすると男性が逃げていくって? そんな男性は選ばないことです。)

 第二は、契約期間です
 パートナーシップは長く組んで上位を目指すのが理想的です。紹介されたり、偶然にお逢いした方と練習してみて、これなら長く組んでいけそうな人なら問題ないのですが、最初は良いと思っても、後からいろいろと欠点が目立つようになるものです。我慢の出来る範囲なら良いのですが、そうでない場合もあるのです。そのような場合に役立つのが契約期間です。
 相手と多少の不安が付きまとうときは、パートナーシップはいつまでとするのかその期間について最初に相談すべきです。例えば、『パートナーシップは今年いっぱい(12月まで)とし、パートナー関係が維持できなくなったらその時点で話し合ってパートナーシップを解消する。良ければ来年もお願いします』と言うように、具体的に話し合いましょう。
 契約期間は取り敢えず決めておいて、組んで競技に出ているうちに相手の良さがわかれば、継続してやっていけば良いのです。契約期間は相手との相性が悪いときに役立つのです。良い相手であれば、解消されないように努力するでしょう。二人の間に適度な良い緊張感が必要かもしれません。
 しかし、相性があって良い人に巡り会った場合でも、低い級の時には良くても、もっと上の級を狙うには今の相手ではこれ以上は無理と思うことがあります。この様なときには相手を変えたいと思うでしょう。約束があればその時点から新たな相手と組むことができるのです。
(本当は最初からず〜っと組んで競技に出られる相手であれば期間の問題がないのですが(^_^;))

 第三に、練習日です
 二人で練習する時間が多いのは競技選手にとって大事な要素です。学生は学業がおろそかになり就職に不利に働くでしょうし、妻帯者は相手の家庭生活のこともあります。週のうち何回練習日を設定できるか。それはいつか、家庭の事情も考えて、堅ぐるしくならないように設定しましょう。

 第四は、家庭の理解が得られる範囲で約束しましょう。
 パートナーシップをつくって競技に出ることは、相手の家庭生活の犠牲を伴うことがあります。独身の人ならば時間が自由になるでしょうが、既婚者は時間が自由に使うことは出来ないでしょう。ご主人や奥様の理解を得ないと継続できないのではないでしょうか。ご家庭の事情で許される枠内で約束するようにしましょう
 約束だからといって練習時間をとりすぎたりダンスに没頭すると家事をおろそかになり、ご主人と不仲となって家庭崩壊し、ダンスそのものができなくなったと聞いたことがあります。女性の立場から見れば、男は外で遊んできているのに比べ、女性は家庭に縛り付けて不自由を強いていると不満があるかもりれません。競技ダンスをするには、まず家庭の理解と調整が必要なのです。

 第五に、別れ話です
 パートナーシップは出会いがあれば別れもあります。何かの都合で解消の話が出ることもあるでしょう。別れ話が円満にいけば良いのですが、そうでない場合に、執拗な嫌がらせが伴う場合もあると聞きます。
 パートナーシップが破綻する理由はいろいろあります。相手の技術力が未熟であったり、上達が遅い、踊り方の違い、きつい言い方をする、カップルバランスが悪い、心遣いが足りない、お金を出さない、練習時間があわない、相手が浮気(パートナー以外の相手と密かに練習したり遊んだりする)する、暴力をふるう、セクハラ等々の不快要素がたび重なるとパートナーシップを解消したくなります。この様なときには最初の約束ごとの履行は困難になります。
 解消するときは円満にいきたいですね。相手に理由をはっきり言って合意の上で解消しましょう。最近聞いた話ですが、携帯電話のメールやファックスで一方的に解消するとの連絡があったとカンカンになって怒っていた女性がおりました。会って話しあって合意の上で解消するようにしたいものです。そのためには円満な人間関係を形成するように日頃からの努力が必要なのです。
 ダンスの世界にいると意外と狭い社会であることに気がつきます。新たなパートナーと競技会場や練習場やダンス教室で会うことがあるでしょう。会ったときに不快な印象を持たず笑顔で会釈や応援ができるようにしたいものです。別れは円満にしましょう。

    
W エピローグ
 パートナーとの関係は信頼関係が基本です。相手の技術が未熟であったり、人格的に多少の問題があったりします。完全な人間は居ないのですからやむを得ません。そのためには、お互いを理解する努力と信頼関係の構築努力と忍耐と許容が必要になります。それができなければカップル関係を長く継続して組むことは出来ないでしょう。無理をして組んでいると苦痛になり楽しくないため、継続を維持することは難しいでしょう。

 ダンスの社会は信用がなければ良い相手に恵まれません。それはダンスを踊ると言うことが共同作業であり二人の信頼関係が基本にあるからです。相手を裏切るようなことがあってはならないのです。上位を目指す者は、技術よりも美貌よりも人間性と信頼性と相性で相手を選択するのです。技術は訓練や練習によって向上することは出来ますが、人間性や信頼性や相性はその個人の育った環境や個人の資質によるもので簡単には変わらないからです。

 ダンスのカップル選びは、結婚にも似ていると言われます。二人が互いに人格を尊重し信頼し合う必要があるのです。夫婦関係はどちらかが我慢すれば婚姻関係の継続はできますが、ダンスの場合、信頼出来なくなった場合や我慢が出来なくなれば別れが待っているのです。結婚よりも維持が難しいと思うべきでしょう。

 カップルが解消する場合、特に問題となるのは第1に人間性や性格の不一致、第2に踊りに対する考え方の違い、そして第3に信頼関係の破綻です。第1の人間性や性格の不一致は踊っていて楽しくないでしょう。楽しくなければ忍耐あるのみ、成長も望めないでしょう。どちらかが合わせていれば別ですが…
第2に、踊りに対する考えの違いは、リーダーとパートナーがそれぞれ違う先生についていたために、先生の教え方の違いに起因する場合が多いようです。教えていることはどの先生も同じ内容だと思うのですが、説明の方法や教え方が違うためにダンス観が違って見え、踊りに齟齬が生ずるようです。踊りや考え方に我慢できない場合は長い目でお互いのダンスを育む気持ちが必要でしょう。
第3の場合は、自分のリーダーあるいはパートナーに不満を持ち、他の人と密かに練習したりすることです。このような信頼関係を裏切る行為を行うと、他人は、また同じことをするかも知れないと思うものです。人間は同じ過ちを繰り返すことを経験的に知っているからです。また、ダンスの社会は狭いものです。本人達は秘密にしていたつもりでも噂は知れ渡るものです。このようなことがあると解消後の相手探しに障碍となります。それは噂を聞いた人はその人を選ばないからです。
と言っても、ダンス界では男性が少ないので、男性は相手が見つかる可能性は高いのですが、女性の場合は、相手を探している人が圧倒的に多いため、たった一度の信頼関係を裏切る行為の為に相手が見つからず、競技ダンス引退を余儀なくされることだってあるのです。

 カップル解消の情報は競技に出場する者にとって関心が高く、秋風が吹く頃から次年度の登録までの間が解消のシーズン?となるようです。そのために相手探しをしている人には情報の収集の努力を欠かせません。情報の収集で問題となるのは噂です。”他人の不幸は蜜の味”ではないですが、噂が噂を呼んで真実と違う方向で興味本位に内容が伝わることがあるようです。常日頃から波風が立たないように慎重な言動が必要となります。

 競技選手の上級者ともなると、カップルの関係が長期間にわたり継続している人が多いのは何故でしょうか? そこにカップル維持の秘訣がありそうですね。それは二人の信頼関係が礎となって相手を気遣う気持ちと、技術と人間性の向上に真摯に努めているからに他なりません。
 些細な欠点を深く追求しないで見て見ぬふりをしながら、気長に相手の成長を見守る忍耐に加え、お互いが相手を尊重し理解し合うからこそ信頼関係が生まれ、ダンスがエンジョイでき、技術も人間関係も向上していけるのではないでしょうか。